油の海に溺れた話~ちばチャンの唐揚げ大バカはすごい(語彙)
最後の晩餐は唐揚げを山ほど食べたい―。
そう心に決めている程度には、揚げ物が、好きです。
4月27日金曜日、GW直前のこの日。
私たちは、山(比喩)に登っていたのでした。
アラサー・アラフォーの女が3人集まって登った山とは。
この山(唐揚げ)。
ただ、その日の午後、仕事の外回り中に、私の安い靴の底がパカッと外れた瞬間-つまり戦う前から、すでに勝敗は決していたのかもしれません…。
(35年生きて来てもっと安い靴も履いたことあるけどこんな剥がれ方したの初めてだよ!!)
無性に胃腸のトレーニングに励みたい気持ちが、定期的に沸いてくるのです。
4月に入ってからそんな思いが頂点に達していたので、バカ盛で有名なちばチャンへ行くことにしました。
どれくらいバカかというと、唐揚げが舟盛で提供されて、一説によると一艘に60個載っているらしいのです。
バカだ…!(褒めています)
オタク友達で胃腸トレーニング仲間のキューリさんと行くことになったのですが、60個ふたりではさすがにキツかろうと、唐揚げが好きなCさんを誘って、女3人で行くことになりました。
女3人といえど、われわれは胃腸の強さには自信があり、よく食べるほうなので、事前のLINEグループでも余裕ぶっこいていたんですよね。
私「唐揚げ60個乗ってるらしいよ」
キューリさん「3人でバクバク食えばいける気がする」
Cさん「唐揚げだけだったら余裕でしょ!?」
そして迎えた当日。
決戦の地は東口一号店。
大衆酒場 ちばチャン 新宿東口1号店(居酒屋)<ネット予約可> | ホットペッパーグルメ
(混んでいるので要予約)
で、最初に届いた【バカ】サッポロ黒ラベル(生)と、ハイボール(バカ)です。
ご確認よろしくお願いします。
でかい。
(キューリさんは間違えて新宿西口のちばチャンに行ったので遅れています)
店員さんとのやりとりもおかしい。
私「生ビールを」
店員さん「普通サイズでよろしいですか」
私「バカで」
店員さん「バカですね!」
私「あと唐揚げ大バカで注文したいんですけど」
店員さん「バカですか!?」
私「大バカです」
店員さん「からあげ大バカですね!!」
人生で、あんなにバカだバカだと口に出したのは、初めてでしたよね。
比較対象がないのでサイズ感がよく分からないと思うんですけど奥から【バカ】明太焼きそばと、【バカ】大根サラダです。
マジでバカ。
そして注文から15分ちょっとで、待望の大バカが。
横から(メインビジュアル)
キャー!!!
どこに寄っていいか分からないけど寄る。肉。
キャァァァーーー!!!
上空から。
キャァァァーーーーー!!!
正面から。
舟と唐揚げの、まさかの邂逅…!
なにこれ超フォトジェニック!!!!
(醤油だれ、辛だれのハーフにしました)
ありとあらゆる角度から、スマホで連写しましたよね。
舟盛が運ばれてきた瞬間、私たちは確かに、リコッタチーズパンケーキが運ばれてきた女子高生のように、あるいは推しが輝いている瞬間のオタクのように、黄色い声で、はしゃいでいた…はずでした。
ぶっちゃけ、この瞬間がピークでしたよね。
「えー、ちゃんと美味しい!」
「皮がカリカリしてる~!」
「揚げたて~!」
(キャッキャッ!)
約40分後。
ひとり100個くらい食べた気がするのに(気のせいです)、「普通に行けそう」「終わりが見えてきたんじゃない?」とか言ってた頃から20分以上経ってるはずなのに、ぜんぜん、ぜんっぜんなくならねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
なにこれ怪奇現象…?
ちなみに下に敷いてる麺もパリパリしてる揚げたやつで、めっちゃ油っこい、逃げ場がない、大根サラダ(バカ)が唯一の癒し、大根サラダ(バカ)がなかったら戦えなかった、あっても敗戦の色が濃いんですけど。
油、油、とにかく油。
精神的に追い込まれると、やっぱりギスギスしちゃうよね、にんげんだもの。
「食べきれる気がしない…」
「でも持ち帰りは敗北だから完食しないと…」
「皮が硬くてさあ…あごが…」
「胃から口の中までぜんぶ油」
「ちょっと、ねえ、箸が止まってない!?」
「止まってない、いま飲み物飲んでただけ」
「ていうかまだ1杯しか飲んでないけどビールもうムリだわ..。すみませーん! ウーロン茶下さい!!」
「私はオレンジジュースで」
「私はウーロン茶…」
みんな半泣きでした。
周りに人がいなかったら声を上げて号泣していたとおもう。
えーんえーん。
人生をマラソンに例えたりすることがありますが、唐揚げの舟盛もまさにマラソン。
それでもあきらめずに、脚を(箸を)(あごを)動かし続けていれば、やがてゴールにたどり着ける…。
おお...!
脳内で小さい谷村新司と小さい加山雄三がサライを歌い出した!!!(気がする)
最後の一個を巡ってじゃんけんしたのですが(当然誰も食べたくないから)私が負けたので、往生際悪く抵抗したものの、あきらめて食べた。
こんなにありがたくない唐揚げがあるか!? と叫びたいほどの、ありがたくない唐揚げでした。
ごめんね、唐揚げは悪くない、舟盛を舐めてた私がいけないの…。
完食!!!!
「つらかった…」
「揚げ麺は残すしかないよね…」
「残すっていうか見てるだけでキツイ、早く下げてほしい…」
これだけ壊滅的なダメージを受けたのに、お会計、3人で8000円行かなかったのが一番バカだったなと思います。
4回も「バカ」って書いてる紙を手に取るのは人生で初めてかもしれません。ていうか初めてだと思う。
戦いが終わり、ふと顔をあげると、そこには。
日本最高峰、富士山…
(写真提供:キューリさん)
(麓に枝豆の富士山が見えるのは幻覚…?)
富士登山に匹敵する、唐揚げの山だった…(登山家から怒られるぞ…)
いや山というより海…油の海に溺れそう…
店を出て、歩行者天国の移動式カフェで買ったアイスコーヒーを飲みながら、
「胃から食道にかけて油でコーティングされてる感じ」
「油はダメだね、勝てないね」
「飲み会に来てお酒一杯しか飲まなかったの人生で初めてかも」
「しばらく唐揚げは食べたくない」
「少なくとも一週間は」
「一週間経ったら食べる気になる!?」
「ていうか今回のコナン映画やばいから観て、執行されてきて」
「執行って何を執行されるんだよ」
「執行は執行だよ!!」
などと話してエネルギーを発散したところ。
22時過ぎにはミルクレープ食べられるくらいには回復したよ♡
やだ~、まだまだ10代で通じるんじゃない!?(胃腸が)(代謝は…)
なお最寄り駅にて反省会を実施致しました。
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ちなみに唐揚げ舟盛りを食べた翌日、唐揚げ食べに行ったほかの2人から「今日も唐揚げを食べている」との報告があり、私もソルジャーなのでファミリーマートでファミチキを買い食いしましたところ、「唐揚げ美味しい!! 唐揚げ超美味しい!!!」ってなった。
揚げた鶏肉は最高。
結論:唐揚げは正義